director's voice

佐々木のどかさん(織)

東京で機に向かってものづくりを進める
佐々木のどかさんからのメッセージをご紹介します。

Q1
佐々木のどかさんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?

A1
さき織りバッグを出品します。

昨年から、綾織りという柄の出る織り方で
ヘリボーン柄などのバッグを制作しています。

今回は、この綾織りのバッグを中心に展示します。
きんちゃく型・手提げ・大きめなショルダーバッグなどをお持ちします。

さきおりバッグ3

佐々木さんとは、出展が決まってから作品を巡って話し合いをしてきました。
さき織りという技法でも、作り手によって作品の印象が随分違います。
その第一印象は色でしょうか。
佐々木さんのさき織りは、
クールなきっぱりとし色遣いがとても素敵に映りました。
そのことを率直にお伝えすると、佐々木さん自身もその方向がとても好きなのだと。
織りはとくに時間のかかる仕事。
あれもこれも展開を広げずに、思い切って絞って構成してみましょう!
ということで「工房からの風」を迎えます。
会場では、きっと佐々木のどかさんならではの
さき織りの世界が繰り広げられるのではないでしょうか。
私もとっても楽しみなのです。

Q2
工房でよく聴く音楽、または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心の中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?

A2
シャルロット・デュマ写真集「Stay」
日本在来馬を魅力的に撮影しています。
グレイがかった写真の色合いなど、その世界観を含め、とても好きです。

作っているものと作りたいものの間に、
少しづつズレを感じて、手探りしているような時期に
この本に出会いました。
この本がきっかけで、行きたい道のイメージが具体的に見え始めてきて、
それまで作っていたものから、今の私が作りたいものへ、と
新しい1歩を踏み出すことが出来たように思います。

絵本「あひるのバーバちゃん」
お気に入りのバッグを持つことの楽しさにあふれている本で、
子供の頃から、この本がとても大好きです。
ここに出てくるポケットいっぱいのブルーのリュックが欲しくて、
家族で出かける度に探していました。
今でも時折読んでは、ワクワクしています。

バッグという存在に魅力を感じて作り続けている理由が、
この本の中にあります。

さきおりバッグ2

素敵なお話ですね。
やはり、色彩、色調が制作の世界観に重要なものである佐々木さんならではのもの。
このご本、ブースに持ってきてくださるでしょうか。

Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、大切にしているものや、
思い出に残るものをひとつ教えてください。

A3
大学で家具などの立体デザインを中心に学んでいたこともあり、
木の家具や道具は、見るのも使うのも大好きです。

私の織り機は、桜の木で出来ています。
少しづつ色が濃くなり、傷も出来てきて、
一緒に過ごしてきた時間が感じられるようになってきました。
使う道具そのものにも魅力を感じながら、制作できることは、
とても幸せなことだな、と思っています。

さきおりバッグ1 (1)

桜の木の赤みをふくんだ艶が、織り続けるときの中で深まっていく。
ものづくりを続ける中で、織り手に与えられるひそかな恵みのようですね。
ますます、豊かな織の時間が続きますことを。

佐々木のどかさんの出展場所は、おりひめ神社の脇。
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